Web制作における着手金制度について考える

企業やフリーランスを問わず、とても重要なお金の話です。

Web制作は契約締結後に制作に着手し、納品後に請求という流れが多いかと思います。これまで私が経験してきた会社、パートナーで協力してもらった会社は例外なくこのパターンでした。

着手金制度については、過去に1度考えたことがあります。あまり嬉しくないことがきっかけですが、その時は導入している会社の思惑もよく分かりました。そういったこともあり今回は着手金制度について考えてみたいと思います。

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よくある支払い条件

「末締め翌月末払い」というような言葉を聞かれたことがあると思います。制作側からみれば売掛になりますね。この場合は、今月行った作業を月末で一旦まとめて翌月末にお支払いしますよ、というものです。この掛売りは信用の上で成り立ちます。信用の無い会社とのやりとりは現金でしかやりとりできません。

これまでWeb制作の現場に関わってきて、一度だけ、このルールを破られてしまったことがあります。その時は「やられた!」って思いましたね。お互いの信用の上で成り立つ支払い条件なので、破られてしまうと当然ですがその企業とは二度と取引はしません。

幸いなことにこの1件以外は正しくお支払いをしてもらっているわけですが、この時に考えたのが制作前の着手金ってどうなんだろうということです。調べてみると、この制度を利用されている会社は結構あるようです。制作側からすると安心感が違いますね。

例えば、半月ぐらいかけて打ち合わせやデザイン作業を進めていて「公開時期が延びたので一旦ペンディングにして」なんて言われたら泣きます。企業の場合は多少は余裕があるかもしれませんが、フリーランスでされている方にとっては死活問題にもなりかねません。大小あれど似たようなことは頻繁に起こっているんですけどね。

着手金制度について

制作側から見れば

案件が大きくなればその制作期間中は入金がないので資金繰りが苦しくなります。それを解決するためには着手金制度を採用することが理想だと思います。資金繰りが少し余裕のある会社ではすべて売掛で対応することも多いでしょう。

相場はバラバラのようで半額を制作着手前に入金してもらい、納品後に残りの半額を入金してもらう場合もあれば、金額の○%を着手金とします、という会社もあるようです。

着手金制度は、私個人としては非常に賛同できる制度です。というのも、Web制作ではデザインやコーディングなどの実作業に入った段階で半分ぐらいは工数が終わっています。サイトの目的・構造・ボリュームなどを提案したり、打ち合わせしたりという上流工程に大半の工数がかかっています。

そのため、制作工程に入る前にキャンセルとなった場合「まだ何も作ってないじゃないか」という理由で白紙に戻されるのはとても困るわけです。成果物がないとはいえ、立派に工数がかかっているわけですからね。

クライアント側から見れば

クライアント側の立場で見るならば、1,000万円規模の案件であれば着手金のために経理の方も動いてくれると思いますが、1万円や2万円規模の小規模な案件では、そのためにわざわざイレギュラーな入金処理をしなければいけないのも少し面倒くさいという印象を持つかもしれませんね。

恐らくですが、着手金制度を導入している会社、フリーランスの方も臨機応変に対応されていると思います。少額であれば売掛にして月末にまとめて請求書を送付するというように。繰り返しますが、売掛は信用の上で成立しますので、それが成り立たないクライアントには例外なく着手金を頂くか現金の支払い方法しか選択の余地はないでしょう。

請求はどのタイミングで起こせるか

一般的には、Web制作は納品(公開)した日をもって請求を起こせると考えて良いと思います。納品後に修正が発生する場合もあります。制作工程でのミスであれば受け付けますし、新規の要望であれば追加の費用を頂きます。これらの対応をするにしても請求書は送付した後です。請求書を止めて対応することはありません。

たまに発生するのが公開日の延期です。ファイルは納品しているものの、公開していないから案件がクローズしていないと言われることもあります。「本番環境にアップしてエラーがあったら対応してもらわないと困るから」のように。対応はもちろんするんですけどね、クライアントによってはここまで終わってからでないと認めてくれない会社もあります。ここまで来たらあとはその会社との信頼関係で適宜変わります。

まとめ

Web制作はインハウスで行っている場合を除いて、大方は受注請負型の仕事です。ですので、契約締結後に実際の作業が発生し、完了したら納品、請求の流れです。このため、請求が成立する前に工数(作業)が発生するため、キャンセルという概念は通用し辛い業界かもしれません。その時点は実工数が発生していることがほとんどですので。

私が思う着手金制度が有効と思われるシチュエーションはこの2つです

  1. 金額が大きく納品までに数ヶ月の日数を要する制作案件
  2. クライアントとの信頼関係がまだ築けていない場合

これらを除く案件は売掛で進めてもそれほど大きな損失は発生しないかなと思います。

実は、冒頭に書きました1度だけ「やられた」案件は、結構少額だったんです。結局は、クライアントを見る目が必要だということですね・・・(苦笑)

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