管理者養成学校 地獄の訓練で体験したこと

管理者養成学校という学校名をお聞きになったことはあるでしょうか。数年前に私はこの管理者養成学校に参加したことがあります。参加の理由は個人の意思ではなく当時勤めていた会社の指示です。

管理者養成学校とはその名の通り、管理職の人に求められる考え方や行動力を学ぶことを目的とした学校で、静岡の山奥にある施設で数日~数週間の合宿をします。私が参加したのは管理者養成基礎コースで2週間でした。

訓練内容は噂通り壮絶で、会社に戻ってからもしばらくは身に付いていた感じがありましたが、時間が経つにつれて細かい思い出は薄れてきました。今でも覚えている訓練は相当インパクトが大きいものだと言えるでしょう。

せっかくの貴重な体験ですし風化させていくのはもったいないと思いましたので記事にしました。

さらに管理者養成学校について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

公式サイトの動画で管理者養成学校の全体の雰囲気が分かると思います。

準備や持ち物について

ある日突然、会社から「管理者養成学校に参加の申し込みをしたから行ってきなさい」と言われ、何も分からないまま準備を始めました。当時は、何がどれだけ必要なのか情報がなかったので色々と困りました。まずは皆さんが同じように気になるだろうと思われるものをまとめてみます。

着替え・衣類

訓練生は男性/女性ともに学校から貸与される制服(上着)を着ることになります。それ以外のスラックス、靴などは個人で持参します。訓練生が利用できる洗濯機はありませんのでスラックスは基本的に洗濯しません。スラックスをこまめに履き変えたい方は多めに持参するほうが良いでしょう。

訓練生が持参するカバンの大きさもこれらの衣類関係を多めに持参されるかどうかで違います。どれが正解というのはありませんが、大きいスーツケースで来られている方が多かったですね。

訓練中は集合・解散は常に駆け足です。だらだらとしているとやり直しとなります。そのため部屋から外、外から部屋に集合がかかったときに履く/脱ぐの動作がしやすい靴が良いでしょう。革靴なんて履いていたら大変です(笑)ゴム底の運動靴がベストですね。

また、40キロを歩く訓練がありますので靴底のクッション性が良いものが理想です。

常備薬やコンタクト、爪切りなど

普段から服用されている薬がある方や使い捨てコンタクトレンズをされている方は、2週間分を用意して持参しましょう。また、基本的にのどに負担がかかる訓練ばかりですので、炎症を和らげる薬(スプレー型のもの)、のど飴などもあると良いでしょう。

バンドエイドも念のため準備しておくと良いと思います(40キロ歩くので靴ずれや足のマメがつぶれる場合があります)

2週間コースの場合は爪も伸びますので、爪切りも持っていきましょう。

たばこ

たばこを吸う方は休憩時間であれば吸えます。自販機があったかどうかは記憶していませんので、個人で持参するほうが良いと思います。

食べ物・飲み物

ジュースやコーヒーは施設内に自動販売機がありますので休憩時間であれば自由に購入できます。ただし食べ物に関しては販売していなかったと記憶しています。

携帯電話(スマートフォン)

訓練が始まる前に携帯電話(電池パック)を没収されます。私が参加した当時はガラケーが主流でしたのでこのような方法でしたが、今はiPhoneなど電池パックは外せない機種が多いので、違う没収方法になっているかもしれません。没収の目的は訓練中に外部との連絡をさせないためで修了後は返してくれます。

没収されるのがどうしても嫌な方は持っていかないほうが無難でしょうね。

いよいよ訓練が始まる

集合場所はJR富士宮駅でした。駅周辺は車の行き来は多いですが、歩いている人はあまり見かけませんでしたね。「富士宮」と聞いて当時、思い浮かべたのは富士宮やきそばだったのを覚えています。

いざ管理者養成基礎コースへ

集合時間が近づくにつれて、自分と同じようにスーツ姿で大きな旅行カバンを持った人たちがゾロゾロと歩いていたのを思い出します。男性だけでなく女性もいましたね。年齢層も20代から50代ぐらいまで様々でした。「あ~この人たちとこれから合宿するんだなぁ」と思いながら迎えのバスを待っていたのを覚えています。

すべてのリボンを取ることが修了の証

管理者養成学校に入学すると修了するまでは白い制服(上着)を着ることになります。この制服に14個のリボンを付けます。勲章の下についているようなリボンです。これには訓練の名称が書かれていて、各訓練の試験に合格するとこのリボンを1つずつ外していきます。最終的にすべてのリボンを外せれば修了です。

試験は不定期で頻繁に行われます。個人別ですので人によってリボン残数が多い/少ないの差が開いてきます。残り1日になってもまだ半分ぐらい残っていた人は大体延長補講になってましたね。

担当の講師が運命を決める?

合宿中は基本的に班行動です。それぞれ10人前後のメンバーに振り分けられます。現地ではメンバーとは呼ばず「班友(はんゆう)」と呼んでいました。

担任と副担任の講師二人体制です。無事に修了できるかどうか、管理者養成学校の攻略の鍵はまさにこの講師に握られているといっても過言ではないでしょう。

多少ではありますが、講師によって厳しさが異なります。他の班はスムーズに訓練が進んでいるのに自分の班だけはいつもやり直しになる・・・なんてこともあります。

訓練中はどの講師も本当に厳しいです。間違いありません。しかし、修了式のとき、厳しかった講師ほど感謝の思いが強くなります。不思議なものですね。

合宿中の出来事

合宿中はとにかく非日常的なことだらけです。それも数日経てば慣れてしまうのが人間のすごいところですよね。訓練時間以外は普通にのんびり過ごせるんですよ。

朝から晩まで声を出すことが訓練

とにかく大きな声を出すことが要求されます。いつ何時も返事が小さければ何回でもやり直しです。「声が小さいので今日の試験は止め!」みたいなこともありました。「え~っ」って思いましたけど。

入室の際の掛け声は「入りますっ!」「どぉぞっ!」がお約束です。1人が入るたびに言いますので、5~6人が一斉に部屋に戻ってきたらしばらくこの掛け声を言い続ける感じです。

そういえば「以上ぉ!」っていうのもよく言っていた気がします。

夜中に脱走してしまう人もいる

私が参加していた時にも脱走した人が何名かいたようです。

始まって2~3日の頃が一番気持ちがしんどかったと思います。入学して間もない頃の興奮が落ち着き、残り2週間近くこんな日が続くのかという絶望感を味わい出した頃でしたから。

ただ、逃亡すると会社に報告されますので逃げ切れたとしても会社に戻れないと思うんですよね。上司に「何で逃げ帰ってきたんだ」と怒られるでしょうし、できればもう少し耐えて頑張ってほしかったなと思います。

明るい時間帯は見渡せますが、夜になると真っ暗なんですよ。こんなところから逃亡するなんて・・・。

印象に残っている訓練

どの訓練も思い出せば強烈な思い出ですが、有名どころというか「これぞ管理者養成学校」というのは個人的に下の3つかなと思います。きっと一生忘れない経験になるでしょう。

10か条の暗記

管理者の心得のような文章を暗記する訓練です。試験はこの10か条を何も見ずにすべて言えれば合格になります。合宿中はこれを覚えるためにずっとブツブツ言ってました。

駅頭歌唱訓練

富士宮駅前で「セールスガラス」という歌を一人ずつ大声で歌う訓練です。一人ずつと行っても同じ班のメンバー10名前後と一緒に駅前に行き、それぞれ少しずつ間隔を空けながら並び、順番に歌います。当然アカペラです。

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音程は全く不問で、車の行き交う道路を挟んで立っている教官に声が届いて、歌詞を間違えずに歌いきれば合格が出ます。歌うというよりも叫ぶというほうが近いかもしれません。試験で歌う時は1番だけでなく2番の歌詞も歌うフルコースで行われます。

駅前といっても東京駅や大阪駅のような人通りの絶えない駅ではなく、車はよく通っていますが、あまり人はいませんので、恥ずかしさはそれほど感じませんでした。それよりも必死さが勝っていたんでしょうね。

歌う(叫ぶ)場所は集合のときに利用した富士宮駅のロータリー周辺です。

40キロ夜間行進訓練

合宿所の近くの村、山、川をめぐりながら40キロのコースを歩く訓練です。普段、デスクに座って仕事をしている人間にとって、いきなりのこの距離は地獄でした。重い荷物を背負いながら雨でカッパも着ながらでしたので本当に辛かったのを覚えています。何時間かけて歩いたかは忘れましたが、最後は足を一歩も踏み出すことができないぐらい心身ともに疲労困憊になりました。

確かこの訓練が終わった後に、クツ裏のゴム部分が剥がれてしまい、その後の合宿生活がすごく動きにくかった記憶があります。耐久性のない安いクツは止めたほうがいいかもしれません。

最終試験

最後のリボンを取るための試験は教官に向かってこれまた叫ぶ訓練です。今後の自分はどうありたいかを10メートルほど離れた教官に向かってスピーチ(叫び)します。この試験に合格すると晴れて修了となります。

修了式のとき、海外の卒業式のような感じで貸与されていた制服をみんなで空に向かって投げて終わりです。確か「二度と来るかーっ」みたいなことを叫びながらだったような気がします。これは個人の思いではなくて講師の先生から「そう言いましょう」と指示されたような。めっちゃ気合い込めましたよ(笑)

修了式の後、合格者はスーツに着替えてタクシーに乗って下山します。2週間で修了できなかった場合はここから居残りで補講を続けることになります。

最後に

上記以外にもたくさんの訓練がありますが、印象に残っているのはこういった訓練です。

管理者養成学校の管理者養成コースは原則2週間で修了です。最終試験に早く合格できれば所定の2週間で修了(下山)できます。しかし、2週間で全ての訓練の合格ができなければ延長補講になり帰れません。また、確保されている延長補講期限(2~3日)も越えてしまうと修了証書をもらうことはできなくなり、参加証だけになります。この参加証では帰れないという目に見えないプレッシャーを感じながらの2週間になります。

管理者養成学校の評判は様々なサイトにも書き込みがされていますが、私個人の見解としては行かせてもらえて良かったと思っています。数十万という参加費を会社がわざわざ出してくれているわけですから。何が良かったというと一般生活では味わえない経験ができることです。現実社会に戻ってこの時の訓練で役に立つかは分かりませんが、自分の経験値を豊かにすることはできたと思います。

もし、これから参加される方でこの記事をご覧頂いているのであれば、あまり色々なクチコミを見て不安になるのではなく「行ってみないと真実は分からない」という気持ちで頑張ってみてください。

そういえば、訓練中に同じ班員メンバーで集合写真を撮ります。何年か経ってその写真を見返す頃には良い思い出に変わっていると思いますよ、きっと。

これから参加される皆さん、頑張ってください!