「アルコール消毒や除菌シートってワキガに効果あるの?」
脇のニオイは汗が細菌に分解されることにより生じます。
ですから、アルコール消毒や除菌シートで脇の汗を拭き取れば、ニオイを抑えることに一定の効果があるといわれています。
ただ不思議なことに、「ワキガ対策のためにアルコール消毒しましょう」というノウハウは世間に普及していませんよね。
その一方で、脇のニオイを抑えるためのデオドラント製品は、毎年のようにたくさんのメーカーが新製品を発売しています。
アルコール消毒は効果があるけど、なぜか世間に広まらない。
実はこれには「なるほど~」という理由があるんです。
アルコールの殺菌効果について
細菌を殺菌することにはアルコール消毒は効果的です。
ですが、ワキガ対策の手段として世間に普及しないのには色々と理由があります。
肌が乾燥して肌トラブルの原因に
アルコールには、肌の内側の水分を逃さないように守っている皮脂膜を溶かしてしまう性質があります。
平たく言うと、肌の油分を溶かしてしまうということですね。
皮脂膜が溶けると、そこから肌の内側の水分が皮膚上に流れ出てしまうため、肌が乾燥し、様々な肌トラブルを起こす原因になります。
アルコールは揮発性も高いことから、皮膚上の水分と一緒に蒸発し、乾燥を進めます。
「アルコール除菌シートで何度も手を拭いていたら手がカサカサになった」という経験をされた方も多いと思いますが、その原因もアルコール成分の揮発性の高さにより手の水分が一緒に蒸発することが原因です。
さらなる脇汗の分泌にもつながる
肌が乾燥すると、体は肌のうるおいを取り戻すために汗を分泌しますので、結果的にニオイのもととなる汗を生み出すことにもつながります。
ニオイの原因には汗も影響していますから、脇を殺菌するために脇汗の分泌量を増やしてしまっては意味がありませんよね。
アルコール消毒でも100%の殺菌は難しい
アルコールは殺菌作用に優れていますが、それでも脇の下の細菌を100%死滅させるのは難しいといえるでしょう。
細菌の種類やアルコールの成分によって効き目が違いますし、脇のしわや毛穴に入り込んだ細菌を100%拭き取るのも現実的に考えて難しいといえます。

でもほとんどの菌をやっつけられたら、それで効果は十分じゃないの?
細菌の生命力はとても強く、消毒後に生き残った細胞は細胞分裂を繰り返し、あっという前に元の数に戻ってしまいます。
拭き取りで99%を殺菌できたとしても、3~4時間ほどで元の数に戻りますので、またケアをする必要が出てきます。
アルコール消毒を何度も行うことは、肌にダメージを与え、さらに脇汗を分泌するという悪循環になりますので、日々のケアとしてはやはり向いていないといえるでしょう。
除菌シートの殺菌効果について
除菌シートについてはアルコール除菌タイプとノンアルコール除菌タイプがありますね。
アルコールタイプの消毒効果
アルコール除菌タイプについては、上でご説明したアルコールをシートに染み込ませた製品ですから、メリットやデメリットはほとんど同じです。
殺菌力は強いですが、肌の油分を溶かしてしまうので乾燥肌になりやすく、過剰に利用することはオススメできません。
ノンアルコールタイプの消毒効果
ノンアルコールタイプの除菌シートは主に柑橘系のエキスによる除菌効果です。
つまり、自然界にある殺菌作用を利用していますので、敏感肌の方でも利用しやすいといえます。
ただ、殺菌力はアルコール消毒のほうが強いと思っておくほうがよいでしょう。
病院など医療現場ではアルコール消毒が使われていることからも、アルコールタイプのほうがノンアルコールタイプより殺菌力が強いことは納得しやすいですよね。
デオドラントシートとの違いは?
一般的な除菌シートとデオドラントシートとは、殺菌・除菌効果の対象が異なることから成分にも大きな違いがあります。
除菌シートは人の手やモノの殺菌を想定しているため、保湿や消臭についてはあまり考慮されていません。
ですから、脇の下などに頻繁に使用していると肌の乾燥や肌トラブルを起こしてしまう可能性があります。
一方のデオドラントシートは脇のニオイを抑えるため、敏感な肌の部分に利用することを想定していますので、殺菌に加えて保湿成分や消臭成分が含まれています。
まれに体質に合わないデオドラント製品を使用すると肌荒れすることもありますが、それは化粧品やシャンプーなどと同じで、事前に成分を確認しておくとそのようなリスクは避けられます。
ニオイを抑えることを目的とする場合は、専用のデオドラントシートを使用するほうが良いといえるでしょう。
ワキガの原因菌について
ワキガは、脇にあるアポクリン線から出た汗を細菌が分解することによりニオイが生じる症状です。
デオドラント製品のサイトを見ると、様々な細菌(皮膚の常在菌)に対する殺菌力の実験結果が示されていますが、主に以下の細菌に対する実験が多い傾向があります。
- 黄色ブドウ球菌
- ジフテロイド菌
- コリネバクテリウム
ワキガの原因菌については様々な見解がありますが、コリネバクテリウムとしている意見が多い印象です。
腋臭の発生に関与する菌としてはコリネバクテリウムキセロシス、汗臭に関与する菌としては黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などが知られている。
体臭は複雑な要素が重なって発生しますので、できるだけ多くの細菌に効果のあるデオドラントを選ぶほうが効果的といえるでしょう。
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