中小零細企業には情報システムやネットワークを専門に扱う部署が存在しないことが多いと思います。
そんな中で、もし「自社ホームページ用にレンタルサーバーをどこか探してくれ」と上司に指示されたらどのように進めていけばいいのでしょうか。
元ITベンダーである管理人が、中小零細企業のサーバー担当者の方にビジネス用のレンタルサーバーの選び方について重要なポイントを3つご紹介します。
最優先するのは「稼動率」
レンタルサーバー導入を検討する際、料金や容量、独自ドメインの数など比較する項目は山ほどあります。ですが、これらの項目の比較は二番手以降に回して構いません。
ビジネス用のレンタルサーバーで最優先するのは稼働率です。頻繁にサーバー障害が起こるようなレンタルサーバーを選ぶことだけは絶対に避けなければいけません。
ECサイト、コーポレートサイトを問わず、ビジネスのホームページにアクセスできないことは機会損失、信頼低下に直結します。
レンタルサーバーのサービス紹介には稼働率が必ず明記されています。一般的には「99%」「99.9%」「99.99%」のどれかに属します。99%以上であればどれでもOKのような気もしますが、ビジネス用では「99.99%」以上を選びましょう。
以下の表をご覧いただければ理由もお分かりいただけるでしょう。
年間のサーバー停止時間 | ||
サーバー稼働率 | 99% | 87.6時間 |
99.9% | 8.76時間 | |
99.99% | 0.876時間 |
稼働率99%は、年間で計算すると87.6時間も停止している可能性があるということです。約4日弱です。これではビジネスで利用するのはリスクが高いです。
稼働率99.99%であれば、年間でも停止する可能性があるのは0.876時間(約50分)で済みます。やはりビジネス利用であれば、99.99%は必要です。
まずは数あるレンタルサーバーから、稼働率99.99%以上のサービスをピックアップしましょう。これだけでもかなり候補を絞っていくことができます。
2つ目は「データ転送量」
稼働率のピックアップを終えたら、次はデータ転送量を確認しましょう。
一般的に料金プランが安いほどデータ転送量も少なく制限されています。
データ転送量はほとんどのレンタルサーバーで公開されています。1日あたりのデータ転送量の上限を超えるとアクセス制限がかかるため、自社のアクセス数を把握した上で、余裕のあるプランを選ぶことが大切です。
3つ目は「同時アクセス数」
ビジネス利用の場合、キャンペーンやCMなどでホームページにユーザーが一気に集まることもあります。通常はまばらなアクセスであっても、キャンペーン時は1分間に500人、1,000人と訪問することもあります。
レンタルサーバーは短時間に極端な負荷をかけると、サーバーの処理が間に合わなくなり、アクセスが遅延したり、最悪の場合はサーバーがダウンすることもあります。
アクセス遅延やサーバーダウンは、共有している他のユーザーにも迷惑をかけることになるため、突発的にアクセスが急上昇したサイトはアクセス制限をかけられることがほとんどです。
「同時アクセス数」はこのときのユーザー数がいくらまで耐えられるかという指標になります。ただし、同時アクセス数は一般的には公開されていませんので、公式サイトの情報で見比べるということはできません。
一般的には、月額料金が高いプランは「同時アクセス数」も余裕を持って設定されていますので、多少の同時アクセス数では制限を受けることはありません。
まとめ
ビジネス利用で重要視するべきポイントを3つご紹介しました。
- 稼働率
- データ転送量
- 同時アクセス数
これらは比較検討する際に必ずチェックするようにしてください。
これ以外にも「データベースはいくつまで作成できるか」「メールアドレスはいくつまで作成できるか」など調べる情報はたくさんありますが、それらは上記の3つで絞り込んでから、選べばOKです。
多くのレンタルサーバーでは、誰もが必要とする機能は搭載していますので、過度の心配は不要です。
まずはご紹介した3つのポイントをチェックして、自社に最適なレンタルサーバーを選定してみてください。
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