ワキガの原因について
ワキガとは、脇のニオイが強い症状のことを指します。
医学的には腋臭症(えきしゅうしょう)と呼びますが、病気ではなく体質のひとつです。
ワキガ体質の人の割合は、日本人は10%と少数派ですが、白人は80%、黒人では100%といわれており、ワキガ体質は海外では当たり前の体質ともいえます。
ワキガ臭の直接的な原因は、脇汗が細菌に分解されることで発生するのですが、そもそもワキガ臭がするかどうかは体質が大きく影響しています。
ワキガ体質は遺伝でほぼ決まる
ワキガ体質かどうかは遺伝でほぼ決まっており、ワキガ臭がする人は生まれたときからワキガ体質です。
ワキガ体質は優性遺伝のため遺伝しやすく、両親のどちらかがワキガであれば50%、両親ともにワキガであれば75%で遺伝するといわれています。
生まれた時からワキガ体質かどうかは決まっており、ニオイのもとを分泌する汗腺が成長し始める思春期の頃からニオイが特に強くなる傾向があります。
また、ホルモンバランスや食生活、生活習慣、ストレスなどによっても汗の成分や量が変わりますので、ワキガ臭は強まったり弱まったりすることがあります。
いきなりワキガになることはない

20歳の頃から脇のニオイが気になりだしたんだけど、いきなりワキガになるってことはあるのかしら?
ワキガは個々の体質によるものですので、ある日を境にいきなりワキガになったり、ワキガの人との衣服や体温計の貸し借りでワキガになるということはありません。
ニオイが強くなる時期は個々によって違いますが、ワキガ臭がする人は生まれたときからワキガ体質です。
また、他人にワキガ体質がうつることもありません。
ワキガ体質の特徴
ワキガ体質の人は、ニオイのもととなる汗をかきやすいという特徴があります。
この「ニオイのもととなる汗」とは、脇の下にあるアポクリン汗腺から分泌される汗を指します。
アポクリン汗腺から分泌される汗は、タンパク質やアンモニア、脂質を多く含んでおり、皮膚上の細菌に分解されることでワキガ臭が生じます。
アポクリン汗腺は多い人、少ない人、全くない人に分かれます。
ワキガ体質の人はアポクリン汗腺が大きく発達し、数が多い傾向があります。
アポクリン汗腺からの汗をたくさん分泌するため、その分、ワキガ臭も強くなるというわけです。
強くなったワキガ臭は、脇にあるもうひとつの汗腺のエクリン汗腺から分泌されるサラサラの汗と混ざりあい、蒸発することで周囲にニオイを拡散します。
ただ、アポクリン汗腺がある人でも、汗腺が小さくて数が少なかったり、汗にタンパク質などニオイのもととなる成分があまり含まれていなければ、ワキガ臭はそれほど強くなりません。
アポクリン汗腺とエクリン汗腺の役割
アポクリン汗腺とエクリン汗腺では、活動する役割が異なります。
アポクリン汗腺 | エクリン汗腺 | |
---|---|---|
温熱性発汗 | ー | 〇 |
精神性発汗 | 〇 | 〇 |
味覚性発汗 | ー | 〇 |
それぞれの発汗の役割は、以下のようになっています。
- 温熱性発汗:体温調節をするための汗
- 精神性発汗:緊張したり、興奮する時にかく汗
- 味覚性発汗:辛いものを食べた時にかく汗
ワキガ体質の人に多い傾向は?
ワキガ体質の人には、以下のような傾向が多くみられます。
- 耳垢が湿っていてベットリとしている
- 他人から体臭を指摘されたことがある
- 下着やシャツが黄ばむ
- 両親のどちらかがワキガである
- 脇毛が多い
- 脇汗が多い
- 喫煙や飲酒の習慣がある
- 肉類や油ものをよく食べる
各項目とワキガとの関係性については、ワキガのセルフチェックで詳しく解説しています。
ワキガと汗臭いは違う
誰でも汗をかきますし、不衛生にしていれば皮膚上の細菌が繁殖し、汗臭くなることはあります。
この汗というのは全身にあるエクリン汗腺から分泌されるもので、99%が水分でニオイのもととなる成分はほとんど含まれていません。
ですので、皮膚上や衣服上で細菌に分解されても強いニオイではなく、いわゆる汗臭さになります。
一方、ワキガ臭というのは体質によるツーンとした強いニオイです。
シャワーを浴びた直後や汗をかいていないときでも臭うのがワキガ臭です。
ワキガ体質の人は、緊張したり、興奮したり、ストレスを感じる度にアポクリン汗腺からニオイのもととなる汗を分泌しますので、ワキガ臭が弱まるタイミングがなく、常に強いニオイがする状態といえます。
抑制するなら体質改善、根絶するなら手術
ワキガは体質によるものですので、一般的にいわれている「治す」という解釈は人によって捉え方が異なります。
ワキガ臭を抑制したいのであれば、食生活や生活習慣を改善するべきですし、ニオイのもとを分泌するアポクリン汗腺を除去したいのであれば手術する必要があります。
出術は根源から原因を取り除きますので魅力的な手段にも思えますが、デメリットがないわけではありません。
手術をするのであれば、メリットもデメリットもしっかり理解した上で行う必要があります。
ワキガに悩んでいるのであれば、体質を改善することでニオイを抑えることができますから、まずは普段の生活でできるワキガ対策から始めてみることをオススメします。
ジムで使えるLINEスタンプです