夏の暑い日は、制汗剤を使用して脇汗のケアをしている方も多いと思います。
不快な汗が抑えられて衣服への汗染みを防ぎ、さらに脇のニオイ対策にもなりますので、制汗剤はとても便利なグッズですよね。
ですが、その一方で、「汗を強制的に抑えて体に害はないの?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
制汗剤を使い続けたいけど健康への影響も気になっているという方は、ぜひ参考にしてください。
制汗剤が汗を抑える仕組み
制汗剤が汗を抑える仕組みは、制汗剤のタイプによって異なります。
どれかひとつだけの効果ではなく、複数の効果が期待できるように成分を配合している製品が多いです。
パウダースプレータイプ
エージーデオ24 プレミアム デオドラントスプレー 無香料 制汗剤 180g
パウダースプレータイプのデオドラントは、主に以下のような作用による制汗効果が期待できます。
- パウダーが汗に溶けてジェル状になり汗腺にフタをする
- パウダーが汗を吸着して脇のベタベタを予防する
- スプレー噴射時の冷却による制汗効果
少し極端な例になりますが、小麦粉に水を加えるとその部分がダマになりますよね。
小麦粉が水を吸収して周辺の水分が無くなり、形状も粉末から固形になります。
制汗パウダーも同様に、汗を吸収して形状が変化し、汗を出す汗腺にフタをすると考えるとイメージしやすいと思います。
クリーム/ジェル/液体タイプ
メンソレータム リフレア 24時間快適 殺菌成分W配合 デオドラントクリーム (ジャー) 55g
クリームやジェル、液体タイプのデオドラントは、主に以下のような作用による制汗効果が期待できます。
- 成分が体の分泌物と結合して膜を作り、汗腺にフタをする
- 成分による収れん作用(肌や血管などの組織を引き締めること)により、汗が出にくくなる
クリームやジェルも制汗パウダーと同様に、汗と混ざって成分・形状が変化することで、汗腺を防ぐ働きをするとイメージされるとよいでしょう。
汗と体温調節の関係について
汗には、体温調節という大事な役割があります。

制汗剤で脇汗を抑えてしまったら、体温調節に影響があるのかしら?
脇にかく汗は、体全体でかく汗のわずか1%で、量にするとスプーン1杯程度だそうです。
汗のほとんどは脇以外から分泌されていますので、脇汗の抑制が体温調節に与える影響はあまりないといわれています。
また、脇汗は常に腕によってフタをされていますので、蒸れやすく蒸発しにくいことから、あまり体温調節の役割には向いていない汗といえるかもしれません。
汗を止めても体温調節に影響ないの?
脇汗については、デオドラントで止める分には体温調節にも大きな問題は出ないでしょう。
ですが、脇の汗腺の働きを完全に無くしても問題ないかと言われれば、Yesとは言い切れない部分があります。
例えば、ワキガ手術で脇のアポクリン汗腺やエクリン汗腺を除去した場合に、体温調節機能のバランスが崩れ、手術前には汗をかかなかった額やお腹、背中などの部位から急に汗をかくようなった方もいらっしゃいます。
こういった症状が少なからず出るということは、脇の汗腺と体温調節が全く無関係とは言い切れなくなります。
一般的には脇汗を止めることは体温調節にはあまり影響がないといわれていますが、全く無関係とまでは思わないほうがよいかもしれません。
日常では汗を抑えていても、たまには汗をかく習慣も残しておくほうがよいでしょう。
制汗剤を使うときの注意点
脇汗を抑えることは体温調節にはあまり影響しないといわれていますが、使いすぎると別の問題が出てくることがありますので注意しましょう。
汗腺に老廃物がたまる
制汗剤によって脇汗を抑えていると、汗腺から汗が分泌されない状態が続きます。
本来なら汗として体の外に出るはずだった老廃物が汗腺に閉じ込められ、これからかく汗に混じることになります。
老廃物がたくさん蓄積されると汗にもその成分は多く含まれますので、いつもより強い脇のニオイが生じる可能性もあります。
ニオイ対策の視点で考えると、定期的に汗をかくことも必要といえるでしょう。
汗腺の機能が低下する可能性も
汗腺は定期的に活動していないと、活動を休止してしまったり機能が低下してしまい、正常な汗を分泌できなくなる場合があります。
正常な汗とは、ほぼ水分のみで構成されたサラサラの汗で、体内に必要な成分が含まれていない(ろ過された)汗のことです。
汗腺の機能が低下すると、体に必要な成分を吸収しきれずに汗として分泌してしまいます。
この汗にはミネラルなど体に必要な成分も多く含まれており、ベタベタとしていてニオイが生じる原因になります。
汗腺の機能は入浴でも鍛えることができますので、制汗剤をよく使用する人は入浴に気を使ってみてもよいでしょう。
洗い残しは黒ずみやニオイの原因に
制汗剤の成分をきれいに洗い流さないと毛穴に成分が詰まり、皮脂や汚れと混じることで黒ずみやニオイの原因になる可能性もあります。
制汗剤を使用したときは、入浴時に脇の下を丁寧に洗うことを心がけましょう。
通常のボディソープだけではデオドラント成分が落ちているか不安という方は、塩浴などにも使われている天然塩を使って、脇をこすり洗いするとよいかもしれません。
塩浴すると肌もツルツルになりますよ。
ちなみに食卓塩は成分が調整されているものが多いので、塩浴には天然塩の利用がオススメです。
体質によっては塩浴で肌が荒れる方もいますので、そのような場合には使用を注意するようにしましょう。
使わない日を作ることも大切
毎日、途切れることなく制汗剤を使っていると何かしらの影響が出てくる可能性はあります。
「ケアをしていないと不安になる」という気持ちはよく分かりますが、休日など家でゆっくりすごせる日には制汗剤を使わず、自然と汗をかくようにする習慣を作ることも必要だと思います。
制汗剤を使うシーンを上手に使い分けて、健康で快適に過ごせるように心がけましょう。
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