脇のニオイやワキガを抑えるためには、ニオイの原因を知ることが大切です。
なぜ脇が臭うのかが分かれば、ニオイの対処方法も明確になります。
脇のニオイの原因となるエクリン線とアポクリン線の汗の違いを理解して、適切なニオイケアを始めていきましょう。
汗は血液から作られている
脇のニオイやワキガのもととなる汗は、血液から作られています。
血液は、赤血球や白血球、血小板などの細胞成分と、血漿(けっしょう)と呼ばれる液体からできており、汗は後者の血漿から生成されてます。
血漿の90%は水分で、その他にたんぱく質や脂質、ブドウ糖、ナトリウムやカリウムなどのミネラル、ホルモンなどを含んでいます。
汗を分泌する汗腺は、血管から血漿を汲み上げて、体に必要なミネラルなどを濾過して血管に戻し、それ以外の成分を汗として体の外に排出します。
汗腺には、全身に分布するエクリン線と、特定の部位にだけ存在するアポクリン線の2種類があります。
エクリン線について
エクリン線は全身に分布する汗腺です。
主な目的は体温調節です。
エクリン線から出る汗の成分
エクリン線から出る汗の99%は水分で、残りはほとんど塩分です。
その他に、カリウムやマグネシウム、亜鉛、鉄、乳酸、アンモニアなどが、ごくわずかに含まれています。
汗臭さの原因になる
エクリン線からの汗はほとんどが水分のためサラサラで透明、無臭です。
かいた汗が蒸発したとしても、通常はそれほど不快なニオイは発しません。
ですが、色々な条件が重なるとエクリン線からの汗が原因で、ツーンとした酸っぱいニオイや汗臭いニオイを発してしまいます。
汗臭の原因① 汗腺機能の低下
汗を分泌する汗腺は、定期的に活動(汗をかく)していないとすぐに機能が低下したり、活動を休止(汗をかかない)してしまいます。
汗腺が正しく機能しているときは、血漿から取った汗の原料から体に必要な成分を濾過し、水分だけを汗として分泌します。
ですが、汗腺の機能が低下すると、体に必要な成分(ミネラルなど)が濾過しきれず、汗と一緒に流れ出てしまいます。
汗をかかない習慣の人が、日常的に疲れやすかったり、炎天下で汗をかくと熱中症になりやすいのは、汗をかいたときにミネラルなどが流れ出やすい状態になっているからといえます。
ミネラルなどが多く含まれた汗は、通常のサラサラの汗と異なり、ベタベタとしています。
このベタベタの汗は細菌に分解されると不快なニオイが生じる原因になります。
エアコンの利用などで汗をかかない生活を続けていると、ニオイが生じやすい汗をかく体質になるため、毎日の入浴で汗腺トレーニングなどをして、日常的に汗をかく習慣にすることがニオイを抑えるには大切です。
汗臭の原因② 大量の発汗
普段の生活でまんべんなく汗をかいているときは、汗腺は血漿から水分だけを残して濾過し、サラサラの汗として分泌しています。
ですが、激しい運動の後や極度の緊張により大量に発汗すると、どうしても濾過が追い付かず、体に必要な成分(ミネラルなど)が汗として流れ出てしまうことがあります。
すると汗腺機能が低下して分泌された汗と同様に、ニオイが生じやすい汗となります。
運動後などに汗を抑えるのは体温調節の役割があるので難しいですが、汗腺の機能を毎日の生活の中で高めておくことは効果的です。
大量の発汗時でも汗腺の機能が高まっていれば、臭いにくいサラサラの汗をかきやすくなります。

汗臭の原因③ 偏った食生活による成分変化
牛肉や豚肉などの動物性たんぱく質は、腸内で分解されるときにニオイのもととなるアンモニアなどを生成します。
過剰に摂取することで血液中に含まれるアンモニア成分も増えますので、汗のニオイが強くなる原因となります。
ただ、だからといって極端に摂取を控えることは健康面に影響が出ますので、野菜なども含めてバランスの良い食生活を心がけることが大切です。
汗臭の原因④ 疲労によるアンモニア成分の増加
たんぱく質を摂取すると、腸内でアンモニアに分解されます。
体が健康な状態であれば、アンモニアは肝臓によって無毒化され、尿として排出されますので、体内にアンモニアが蓄積されることはありません。
ですが、疲労やストレスが溜まり肝臓の機能が低下すると、体内でアンモニアを分解する能力が低下し、全身を巡る血液中に多く残ったままになります。
その結果、アンモニア成分を多く含んだ汗を分泌することになり、ツーンとしたニオイが生じます。
アポクリン線について
アポクリン線は、脇の下や乳輪、陰部、耳、肛門の周り、へその周りなど、限られた部位にだけ存在します。
アポクリン線からの汗には体温調節の役割はなく、体臭を作る仕組みになっていることからフェロモンの役割ともいわれています。
アポクリン汗腺の大きさや数には個人差があり、大きく発達して数も多いとワキガ体質である傾向があります。
逆にアポクリン線が存在しない人もいます。
アポクリン線から出る汗の成分
アポクリン腺から分泌される汗は、エクリン線の汗とは違い、たんぱく質やアンモニア、脂質を多く含んでいます。
アポクリン線から出る汗はベタベタとしており、乳白色です。
ワキガ臭の原因になる
アポクリン線の汗は、ニオイのもととなるたんぱく質やアンモニア、脂質を多く含んでいるため、皮膚上の細菌に分解されて強いニオイが生じるワキガの原因となります。
皮脂腺について
アポクリン線とやや関係性が近いのが皮脂腺です。
皮脂腺はアポクリン線と同様に毛根部分に存在し、皮脂を分泌します。
皮脂腺から分泌された油脂成分が、古い角質や垢、汚れと混じり、それを細菌が分解することで脂肪酸ができ、空気に触れて酸化することで酸っぱいニオイを生じさせます。
脇のニオイを抑えるために
脇のニオイは、エクリン線とアポクリン線から出る汗がもとになって発生します。
エクリン線から出る汗は、良い汗をかくことを意識して日々の生活を過ごすことで、脇のニオイは抑えることができます。
一方のアポクリン線からの汗はワキガ臭の原因となるため、正しいワキガ対策をしながらニオイのケアをするようにしましょう。
ニオイの原因を知り、適切なケアをすることが脇の臭いを抑えるためには大切です。
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