「ドライヤーで脇を乾かすとワキガに効果的ですよ!」
こんな情報をネット上でちょくちょく見かけます。
いくつか読んでみましたが、さすがにそれは…と苦笑いをしてしまいました。
もし、こういった情報を見て本気でドライヤーで脇を乾かそうと思っていたなら、周囲から笑われるので止めておいてくださいね。
ワキガが改善する根拠はないのに、肌トラブルが起こるリスクはあるので、とてもオススメだなんていえません。
その理由について書きますので、ぜひ正しい理解をしてくださいね。
そもそもワキガの原因は?
ワキガの原因は、遺伝的な体質によるものです。
アポクリン汗腺から出る汗を細菌が分解することで強いニオイが生じます。
この汗にはニオイのもととなるたんぱく質や脂質、アンモニアなどが含まれており、ベタベタと粘着性があります。
ドライヤーを当てて多少の水分を蒸発させたとしても、ニオイのもととなる成分の多くは脇に付着したままです。
ワキガの要因となるニオイのもとが脇に残ったままですので、その後に汗をかけば細菌は分解を始め、ニオイが生じることになります。
ワキガを抑えるにはアポクリン汗腺からの汗をしっかりケアする必要があります。
水分を飛ばすだけで改善するなら、みんなワキガに悩みませんよね。
ドライヤーで乾かしている汗は、エクリン汗腺から出るサラサラの汗がほとんどで、この汗を乾かす目的はワキガ対策というよりも、体臭の予防といえます。
ドライヤーで脇を乾かしたときの影響
わざわざドライヤーで脇を乾かす目的とは何でしょう。
エクリン汗腺から出るサラサラの汗を一気にドライヤーで乾かすということでしょうか?
エクリン汗腺からの汗はほとんどが水分でワキガの直接的な要因ではありませんので、ワキガ抑制ではなく体臭予防に近いといえます。
ただそれでも、ドライヤーで脇を乾燥させることはオススメとはいえません。
肌が乾燥すると体は汗を出そうとする
肌が乾燥すると、体は肌にうるおいを取り戻そうとするため、汗を出そうとします。
もしドライヤーを脇に当て続けたら肌の状態はどうなりますか?
汗は蒸発するかもしれませんが、肌の表面はかなり熱くなり、乾燥しますよね。
場合によってはやりすぎて火傷をしてしまうかもしれません。
この時点でよくない手法ですよね。
そういったリスクを冒しつつ、なんとか脇を乾燥させられたとします。
すると体は、「肌がカサカサだ!肌のうるおいを保たなければ!」と判断して、脇に汗を出そうとします。
つまり、汗は止まるどころか、さらに出るんです。
これでは汗の対策どころか逆効果ですよね。
乾燥肌はかゆみや炎症の原因に
「汗が出てきたらまた乾かせばいい」
こう思われる方ももしかするといらっしゃるかもしれません。
でもこの考え方は間違いです。
乾燥した肌は、外部からの刺激に弱くなります。
乾燥肌により皮膚のバリア機能が失われると、アレルギー物質や細菌が皮膚の内部まで簡単に入り込んできます。
そして、かゆみやかぶれなどの炎症が起こりやすくなります。
ドライヤーで脇を乾かすのは、汗を止めませんし、やりすぎると肌の乾燥により様々な肌トラブルを引き起こす原因となりますので、止めておきましょう。
脇の汗はどうケアすればいいの?
では、お風呂上がりにかく汗はどのようにケアするのが適切なのでしょうか?
水シャワーを浴びる?
冷房の部屋に直行する?
どちらも汗やニオイを抑えるのには、よくない行動です。
こまめな汗の拭き取りがベスト
正しいケアは、こまめに汗を拭き取ることです。
自然に体温が下がるのを待ちながら、かいた汗を拭き取ります。
そうすることで汗腺も正常に活動し、日頃のニオイのもとも発生しにくくしてくれます。
水シャワーや冷房に直行するような一気に体温を下げる行為は、汗腺の活動を強制的に抑制するもので、汗腺の機能を低下させることにつながります。
汗腺が正常に機能しなくなるとニオイ成分を多く含む汗が出やすくなり、体臭も強くなりがちです。
入浴はワキガを抑えるのに効果的ですが、入った後に間違った汗のケアをするのは体臭予防にとってはよくありません。
保湿することが大事
脇の汗を拭き取るだけではニオイ対策としては不十分です。
上でご説明しましたように、肌が乾燥すると体はうるおいを保つために汗を出そうとします。
そして乾燥肌は様々な肌トラブルの原因となります。
ニオイ対策を意識するときは、汗のこまめな拭き取りとクリームなどで脇を保湿することが大切です。
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